コロロン 〜孤独な自転車レース好き〜

2015年2月まで「ツール・ド・フランス」を「ロマンス街道ツアー」みたいな人気旅行企画と勘違いするくらいロードレースに興味がなかった筆者が、一瞬ではハマった自転車レースのことや自転車にまつわる日々を記すブログ(注:私はレース走りません)

『プロ観戦者への道』に行った時のこと

サイクルロードレースのファンなら、どこかで耳にしたことはないでしょうか?
『プロ観戦者への道』

国内レースの応援をしよう!観戦の仕方を教えましょう!みたいな、そんな……団体?かな。
とにもかくにもそんな感じのところです。

ニコニコチャンネルに公式のページがあって、月額540円(税込)で会員になれます。
会員になると、月に一度行われる、トークショー的なもののチケットを買う資格が得られます。
いけなくても、そのトークショーは動画で見られるのです。


で。
実は。

11月に、私、会員になって、イベントに行ってきたんです!!

11月は、去年末で引退された、ブリジストンアンカーの井上選手のトークショーでした。

行く時、めちゃくちゃ迷いました。というか、数ヶ月前からずっと悩んでいました。
国内レースのことは正直全然わからないのですが、なら観戦の方法とか選手のことがわかるようになるには、これに参加したほうが手っ取り早い気がしたのです。
それに、これに参加すれば、レース観戦について語り合える、友達とか知り合いができるかも……と!
ただ、私には、一緒に行ってくれる自転車友達がいないので、行くとしたら一人での参加になるのです。

どうしよう。
一人で行ったときのアウェイ感が予測できない!!!


いろんなブログとかツイッターとか、延々と探してみたのですが、全然情報が出てこないのですよ!!本当に!!
どんな雰囲気で、何をする会で、参加者がどんな人で、みたいなことが全然わからない!
それで、ずっとずっと参加できずにいました。


ただ、ちょうど今回は、レース解説でときどきその声を聞いていて、かつ先日ジャパンカップでその走りをみた、井上選手だから、
今回を逃したら、次とかその次は、きっともっとずっとわからないテーマや話題になってしまう……。


勇気を出して、行くしかない……!!



そんなわけで、11月に勇気を出して、参加したのです。
私同様「行きたいけど、あまりにも情報が……」っていう人がいるかもしれないと思ったので、どんな感じだったか書こうと思います。



場所は、目黒の自転車文化センターがあるビルでした。

エレベーターを見つけて、そこから上がっていくのですが、
着いて、会場に入ると、そこがすぐに席なんです。

「……え、受付は……?」

とか思っていると、席に座っている普通の人が、困ってる私に「あっちだよ」と部屋の後方を指し示してくれました。

てこてこ、とそちらに行って、名前を言うと、
なぜかドトールのサンドイッチを選ばせてくれました。

それを持って、隅っこの一番後ろの席にいきました。
毎回こんな感じで食べ物がでるのか、今回だけなのか、初めていったのでよくわからなかったのですが、
とにかく晩御飯だなっておもったので、それを席で黙々と食べながら、トーク開始時間を待ちました。
ほとんどが二人、ないしそれ以上でいて、なおかつ常連の方が多数の雰囲気だったので、正直アウェイ感は半端なかったです。

ちなみに、サンドイッチは全部食べきれなかったので、カバンの中にしまいました。



そんで、しばらくしたら、栗村さんと井上さんが出てきて、トークがスタートしました。

会場は普通のセミナーとか会議とか行われるような部屋だったので、当然傾斜などはなく、一番後ろのすみっこに座ったためあんまりお二人の顔は見れなかったです。

でもまあ、話を聞きにいったのでそこはあんまり気にしていませんでした。


トーク内容自体は、会員になったらその動画を見ることができるので、ここに書くことはしませんが、私の感覚としては、


「どうしよう。ぜんっっっっぜん、わからない」
でした。


かなり丁寧に、井上選手の来歴とかをずっと追って説明をしれくれていたのですが、
まあ本当に私国内選手の名前をしらないですし、知っている選手であっても、誰が誰の先輩で、何年から何年間でどこのチームにいたとか、そういう知識がまったくないので、
「あの時、あの選手が!」とか「そのときチーム内で誰と誰が」とかいう話がでて、周囲が「あー」とか「なるほど」いう反応を示す中で、一人きょとん、としてました。


それでも、そもそも過去にでたレースの話を聞くのは実際にそのレースを見てなくても興味深かったですし、
知らない選手でも話が続くうちに何度も出てくるので、一時間くらいしたらなんとか普通に話の流れを追えるようになりましたし、
実際に見た2016年のジャパンカップの話もあったので、そこそこ楽しくなりました。



そして、そのあと、懇親会です。
懇親会は、チケットを買うときに参加するかどうかを選べます。
(これに参加するかどうかで、チケット料金かわります)

懇親会は、そのままその会場で、行われます。
椅子とかをみんなで片付けて、会議用テーブルをくっつけてそこに缶チューハイとか、するめなんかが並べられて、
みんなでカンパーイってして、そのあとは立食パーティー風のフリータイム。

慣れている方々や、昔からのファンの方々は、さっと順々に井上選手からのサインをもらったり、プレゼントを渡す時間になりました。



ええ。
アウェイ感やばかった。

そりゃ、井上選手のジャパンカップの走りは「うわー!!」ってなったし、解説好きなんだけど、
でもここで話しかけられるくらい熱烈なファンかって言われると、そもそも国内レースは湾岸クリテとジャパンカップしか見れてないし……。
正直、なんで私懇親会まで申し込んだんだろうってちょっと最初後悔しながら、
しばらく一人でちびちびお酒飲んでました。


でも、勇気を出して、一人で来ているっぽい人に話しかけてみたりしていたら、
慣れている方々が、徐々に話しかけてくれるのですよ

今回が初参加っていうことを伝えると、いろいろ気を使ってはなしかけてくれたり、
同じように今回初参加者の人を紹介してくれたり、
みなさんすごくいい人ばかりでした。
本当にありがたかった……。


初参加の人の中には、私同様、国内レースはジャパンカップしか見たことないっていう方もいて、
海外レースのことしかほとんど知らない私でも、徐々に話せるようになって、
最終的には楽しくイベントを終えることができました。

懇親会中に、井上選手がふとももを触らせてくれました。
アスリートって感じでした!!


今月、2月のイベントは、2月27日月曜日の夜、19:30からで、テーマは「ツール・ド・とちぎ」なんだそうです。

今年初めて開催される、UCI公認の栃木のステージレース。
この大会の見どころを教えてくれる、とのこと。



サイクルロードレースは、団体で戦略をとる競技なのにも関わらず、サッカーや野球みたいに競技中に決まったポジションがあるわけじゃないし、背番号もエース以外はほぼアルファベット順とかなので、コースの特性や選手の名前や走りの性質の知識がレースを見る上で重要なのにも関わらず、それを初見でつかむことができないという、初心者が観戦するにおいて致命的な弱点がある、と私は思っています。
私も初めて海外レースみたときは、ずっとwiki開きっぱなしにして、実況や解説の人から選手の名前が呼ばれるたびに、検索かけて読んで必死に覚えました。受験勉強してるみたいな気持ちでした。「きっとここでくじけて見なくなる人いるんだろうなあ……」って思いました。


ただ、この『プロ観戦者への道』に参加して、トークを聞くと、話のなかで国内の有力選手の名前とかが出てくるので、自然に名前を覚えます。その状態でふらっと国内レース見にいけば、ただなんとなーく見に行くよりも、選手の名前をとかがわかって楽しめるんじゃないかなと思うのです!
今回は、テーマがテーマなので、あくまでもコースレイアウトとかが重視だと思うのですが、この大会自体今年が第1回になるので、もしかしたら前回よりも、国内レースに明るくなくてもトーク内容わかるんじゃないかなって思っているので、私は今回のイベント、また見に行く予定でいます!


私みたいに「プロ観イベント、興味あるけど、あまりに情報少なくて参加するか決められない……」っていう人もいると思います。
もし、そういう方宛に、前回参加したときの私の感想をまとめるとするなら、

一人参加はマジでアウェイ感半端なかったし、知識不足も否めなかったけど、
それでも勇気だしたら、やさしいロードレース観戦の先輩たちがいっぱいいて、楽しかったよ!!

っていう感じです。ご参考までに!
あ、2月のイベントチケットの締め切りは、2/24までらしいので、ご留意ください。



あと、懇親会中に聞きました。

私「このイベントのこと、どんな感じだったとかって、ブログに書いてもいいですか?」
栗村さん「ああ、全然大丈夫ですよ」

許可、もらったから!

映画「ロード・アップヒル」

今日、Jsportsで放送された、日本初公開のドキュメンタリー映画。
「ロード・アップヒル(road uphill)」

2011年の、シュレック兄弟と仲間のレオパード・トレックの選手たちの視点から見た、ツール・ド・フランスを切り取った映画です。


私がロードレースを見始めたのは、2015年の秋からですので、
私は、この年のツールに関する知識が、まったくといっていいほどありませんでした。
そんな状態で見て、「当時活躍した選手がわかるだろうか」と若干不安だったのですが、結論から言うと、全然問題はありませんでした。
ロードレースのルールや、その競技内容がわかっていれば、選手個人のことをあらかじめ予備知識として知っていなくても、ちゃんとわかるようになっていました。



……この場合って、どこまで書くのが正解なのかなあ……。

もし今回のJsportsさんの放送(オンデマンドに加入しても見られるので、まだもうちょっと猶予はありますが)を見逃してしまったら、海外版のDVDを買う以外に見る手段は今のところなさそうなので、英語とフランス語に堪能な方でなければ、今回の機会に見なければ一生目にすることはないかもしれません。

だから、そういう人たちのことを考えたら、少しは内容に触れないと伝わらないかも知れないのかも、と思うのですが……。


でも、今日私、この2011年当時の選手たちの動向とか、チーム名とか、ほぼ知らない状態で見て、
それが、正解だったと思うのです。

「ちょっと前に、ルクセンブルク出身の、山岳に強い兄弟選手がいたな」くらいの知識で見ても、十分目が離せない内容でした。

だから、あえて、内容については何にも書かないようにしようと思います。



そうすると、もうほら、書くことなくなってしまうのだけれど。


えっとね。

これは、ある一年の、レオパード・トレックの物語だったけど。
映画になっていないだけで、本当はツールに出ている全部のチームに、こんな感じの、それぞれの物語があるのだと思うのです。
それが、毎年、全チーム分、存在している。
私たちファンは、それが「レース」っていう形に出てきている、その物語のひとかけらを垣間見ているに過ぎない。

そして、そのひとかけらに、これだけの物語があるから、
ただの観客の私たちも、そのレース一つ一つに夢中になるんだろう、って思います。

でも、いつもいつも「この走りの裏にはこれだけの努力が……!!」とかって全選手について考えていたら、
レースを見たいのか、ただ感動して泣きたいのかよくわかんなくなっちゃう気がするから、


何かの拍子に「ああ、これだけの物語があるんだな」って感じながらも、
いつもは気軽に「みんながんばれー!!怪我しないで、がんばれー!!」って応援するのでも、いいんじゃないかなって思うのです。


レースを見ていて「なんでこんなに、この走りに感動するんだろう」って感じた時の答えが、
「この映画みたいな物語が、そこかしこにあるからだよ」っていうことを、知っていれば、それでいいのかも知れないと、
映画見終わって、自分の中でいろんな衝撃が去ったあとで、そんな風に思いました。





なんというかね!!
「この映画をみたら、サイクルロードレースが好きになれるよ!!」とかって言えるような、知らない人にオススメできる初心者向けの映画や、内容の構成ではないよ!!
でも、サイクルロードレース好きって思うなら、一度見たほうがいいと思う!

そんな映画でした。

ジロの放映権

夜、衝撃的なニュースがツイッターを走り抜けました。

「Jsportsが、ジロ・デ・イタリアを放映しない」


なんですとぉぉぉ!?

慌ててJsportsの、年間スケジュールを見てみると、
……本当だ。ジロが、いない。
それどころか、
ミラノ〜サンレモも、ロンバルディアも、はたまたツール・デ・フランドルでさえいない!!?

えええ!?モニュメント、半分も見られないの!?
ジロ、100周年だよ!!?私、100周年のジロ、映像見られないの!?


去年一年レースをおいかけてみて、私はグランツールの中で一番ジロが好きになりました。
グランツールの中で、一番最初にあるレースで、シーズンがはじまって間もなくなので、ツール後半やブエルタに見る「これで結果残せなかったら、今シーズン終わりだ……!」っていう、選手やチームの追い詰められた感じがそんなに伝わってこなくて、応援する側としてものびのび応援できる気がして好きなのです。

なのに。
どうしよう……。


こうなったら、海外の自転車関係のサイトで、無料で見られるところから見るしかないのか、とか思ったのですが、

ジロってことは、きっと実況・解説は、イタリア語だよね!!?

英語なら、かろうじてレース実況くらいだったら8割なんとなくで言ってることわかるのですが、
イタリア語……。


ええ。確かに数年前、イタリアに旅行に行きましたよ。
そのとき、決まりのあいさつや、数字のほか、少しだけイタリア語を覚えて行きました。

ピザの具と、ジェラートの種類だけ。


きのことか、なすびとか、ヘーゼルナッツだけイタリア語でなんていうかがわかったって、
自転車レース見るのに何の役にも立ちません。



どうしよう。
でも、迷っていても何にもなりません。
とりあえず、日本語解説がなくても、ジロを楽しむにはどうしたらいいか。


イタリア語での、自転車用語を学ぶしかありません。


とりあえず、都内のイタリア語教室をネットで探し出したものの、
「これはペンです」「あのお店は何時からやっているのですか?」とかがイタリア語で話せるようになったって、
レース見るのには追いつかない!
自転車レース見る人用の講座、みたいなものも、昔はあったようなのですが、今年のカリキュラムでは見つからず……。


そうだ!とりあえず、イタリア語の辞書だけでも買いにいこう!
と、会社帰りに、最寄りの本屋さん二箇所よりましたが、どっちも置いてませんでした。
たぶん、売り切れたんだ!あの、外国語辞書棚の空いた枠には、イタリア語の辞書があったんだ!
私同様にイタリア語の辞書を買い求めたロードレースファンが近所に住んでるんだ!


ううう。
どうすれば。


大混乱のうちに家にかえって、いろいろ調べたり、教えてもらった結果、
どうやらですね。
Jsportsではなくて、別の会社が、ジロやフランドルや他のイタリアのレースの日本での放映権を獲得したようなのです。


その名も、DAZN。
だ・ぞーん、っていうらしいです。
月額1750円で、スポーツ動画見放題?みたいなネット映像配信サービスみたいです。

とりあえず、この金額さえ払えば、見ることは確実にできるようなので、ひとまずほっとしました。
ネットで見られるだろう、は予測であって、確実なことを調べられるだけの経験値はなかったので……。


ただ、解説があるかどうかみたいなことは、書かれていません。
もしかしたら、イタリア語解説かもしれません。


……まだ、イタリア語は、数字とかあいさつはかろうじてわかるからけど、
フランドルの解説って、現地は何語だ?オランダ語?フランス語?
数すら数えられないぞ。


とりあえず、イタリアのレース用語で、
先頭、追走、メイン集団、逃げ、独走、アタック、エース、アシスト、トレイン、これくらいは、なんていうのか知っとかないと……。



……ん?

そういえば、半年前のリオのとき、
現地解説すらない状態で、私、スタートから最後までレース見て、レポート書いてましたね。



なんとかなる気もしてきた。



いやいやいや!でもやっぱり、日本語の実況・解説は、ほしいです!

美ら島オキナワセンチュリーラン2017 レポートその3

イムリミットが迫る!
二つ目のエイドステーションを過ぎて、次のチェックポイントは昼休憩を兼ねたエイドステーション。10.9km先!

ここまでは、各チェックポイントまでの期間は、両方とも20kmを超えていたので、半分の時間でいけるはず!
とにかく!急がねば!!

ただただ必死にペダルを漕ぎ続けます。気持ちはすごく焦る。
「疲れた……ちょっと速度緩めようかなあ……いやいや、制限時間が!時間が!!」
だが、そんな私を嘲笑うかのように、
このコース最大の坂が、目の前にあらわれます。


コース高低表は見ているので、ここが踏ん張りどころなのは確認済み!


ここさえ乗り越えれば!!
おひる ごはん!!!


さあ、坂がおわりっぽくなってるところが見えたぞ、きっとあそこが頂上だ、がんばって乗り越え、乗り越え、……え?
ちょっとだけ平坦みたいなとこがあって、そこから先が、まるで壁

…………なんじゃありゃぁぁぁ!!!


がんばって最初ちょっとは登ってたのですが、「ここを頑張って自転車漕いでのぼったら、このあともう走れる気がしない」と思い、結局降りて、自転車を押しながら歩きました。

そして、ようやくその厳しい登りが終わり、ちょこっと走るとエイドステーションが!なお、ここの制限時間は14:00です。
すぐに時計を確認!

13:38

セーフ!!間に合った!すごい!がんばった私!!

さあお昼ご飯だ!!

いそいそと自転車をとめて、お昼をもらうために並びます。
沖縄そばと、プラスチックの使い捨て容器に入ったおにぎり二つ!そばには、らふてーをのせてくれます!
そばは全部、おにぎりをひとつだけ食べました。おいしい!

全部食べると、満腹で動けなくなる気がしたので、残ったおにぎりはドイターのリュックに突っ込んで、さあ出発!!


すると。

「あのー、ここからの人はですね、ショートカットコースでのご案内になります」

え?
だって、時間制限の14:00までに、わたし、ここのエイドステーションに入ってたよ?

「14:00出発、で区切るんです」

時計を見る。

14:02


うわぁぁぁぁぁ!!
2分!!あとほんのちょっと早くご飯を食べていれば間に合ったのに!!

この次が!次のコースこそが!
海にかかるおっきな橋をわたる、素晴らしい眺めの場所なのに!!
ぶっちゃけここまで時間制限に間に合うようにしか考えてなくて、全然まったくこれっぽっちも景色を楽しんでいないのに!!


でも、もう決まってしまったものは仕方がありません。
気持ち切り替えて、ゴール地点まで目指そう。

ショートカットコースの人へは、ステーションを出るときに地図が配られていました。
私にも配ろうとしてくれましたが、地図を見ながら走るのが嫌でこういう公式イベントに申し込んだので、「前の人についていきます!」って言って、地図をもらわずに走り出しました。


悔しいけど、もう仕方がないのです。

さよなら、海にかかる橋。
さよなら、古宇利島。

もうタイムアウトは気にしません。
厳密にはあるけど、ぶっちゃけショートカットコース走ってタイムアウトにはならないでしょう。

無理する必要も、体力温存の必要も、もうなしでいいや!!



すると、どうしたことでしょう。


……楽しい。
走るの、楽しい。


さっきまで、あんなに辛かったのに、どうしてこんなに楽しいのでしょうか。

そうか。
私は、時間制限のことであたまがいっぱいで、楽しく走るということを忘れてたんだ!
自転車って、楽しい!!

私は踊る心を押さえきれず、軽やかに下っていきました!

ええ。
あとから思い返すと、もちろんタイムアウトの重圧からの解放もありましたが、たぶん、下りがいっぱいだったからすごく楽しかったのです。



でも調子にのってたら、一緒にスタートした人をほとんど追い抜いてしまい、前にも後ろにも誰も見えなくて、「……みちに、まよった……?」ってなってしまいました。


でも、地図ないから確かめようがないので、あんまり深く考えずに道なりに走っていたら、そのうち前方に人が見えてきたので一安心!
14:45くらいには、次のエイドステーションにつきました。

ここが最後のエイドステーションです。
次が、ゴールだ!!


と、そのときです。
すいっと、わたしのとなりを抜けて自転車をとめたひとがいました。

そのひとが横を通った瞬間。
私は思いました。
「あ。この人、全然疲れてない」

気配というか、なんというか。
その人を見て、色が飛び込んできて、その色を認識して脳が判断を下す前にその一瞬前に「周りと全然違う人だ」っていう感覚が先に来たんです。
原因はなんなのでしょう。
自転車との一体感?身体の軽やかさ?

理由は正直わからないのですが、
その人は、サポートライダーとして走っていた、ブリジストンアンカーの選手でした。


愕然としましたね!

プロはレベルが違うというのは、こういうことか、と!
アンカーのウェア着てたからとか、そういう諸々を認識するよりも先に「違うレベルの人だ」って感じたんですもの。

あれは、新しい、不思議な感覚でした。


誰だったんだろうなあ。
ヘルメットにサングラスで、ゼッケンもスタートリストもないし(当たり前だ)、直接お名前を伺うのも憚られたので、誰だか結局わからなかったんです。
もしこのブログを読んでいる方で、同じコースに参加していて、15時前に、最後のエイドステーションにいた、背の高いブリジストンアンカーの選手が誰かわかる人がいたら、教えて下さい。
次に国内レース見に行くときに、注目しようと思います。


そんなこんなで、だらだらとここでもさーたーあんだぎーをたべ、あと柑橘系の地元のフルーツをいただき、配られたシークワーサージュースのペットボトルをバッグに突っ込んで、15:00にスタートしました!

ちなみにここのエイドステーションは、15:30までにスタートしないと、今度はショートカットじゃなくて、車でゴールまで運ばれてしまうことになったらしいです。
本当は15:00が制限時間でしたが、なぜか延長してました。
多分、全体的に、公式の想定よりもタイムがゆっくりめだったんじゃないかな。あの風だったし。


さて、ここからが一番長い道のりです。27km。
風のそこまでではないし、昼食前のような険しい登りなんかもないので、黙々と走り続けるのですが、ここでショートカット勢と、ちゃんと全部走ってきた人が入り乱れて、さらにこの日一番交通量が多い地点だったので、はっきりいって一番身の危険を感じたのはこの区間でした。

ほとんどの方が抜かすときに一言「通ります」とか「抜きます」とか声をかけてくれるので、そのときは「はーい」っていってハンドルとか注意するのですが、たまに声をかけない方もいらっしゃるんですよね。
この区間、路面が結構あれている場所が多くて、よけるために小さくハンドルをきった瞬間に、後ろから無言で抜きにかかってきた人がいて、ぶつかりそうになったときがありました。


あと、残り15kmか10kmくらいの地点で、ふとみると参加者の男性が5~6人、歩道の方によけていて、一人が怪我をしているようでした。
おそらく落車をしたのだろう、と思いながら、その人たちの目の前を走るとき、そこが、見た目以上にアスファルトが盛り上がっていて一瞬ハンドルがとられ大きくバランスを崩しました。
うわって思ったとき、その横にわけていた人の中の一人が私の様子を見て「あぶない!」と叫んで、その声に「いま頑張らないと転ぶんだ!」ってはっとして(←反応が遅い)ものすごく集中してハンドルを上から押さえつけて、なんとか転ばずにすみました。
フラットハンドルでよかった。

誰だかはわからないのですが、あのときとっさに声をあげてくれた自転車乗りさん、ありがとう。


だらだらと走り続け、
やっと、ついに、ついに、

ゴール!!!


ゲートをくぐった瞬間に、「ついたあ……」って思わずつぶやきました。
16:40分くらいでした。

そんなに足は疲れてなくて、ガクガクになるようなこともなく、すたこらさっさと賞状をもらいに行きました。

何もいわなければ、名前の入った完走の賞状が誰でももらえるような雰囲気だったのですが、これで嘘ついて賞状もらっても嬉しくないので、素直に「ショートカットコースを走りました」って言いました。

前にも一回アップしたけれど、そのときの賞状がこちら。
f:id:cororn:20170115201154j:plain


正直、ショートカットコースですって言われたときより、どんどん抜かされたときより、
この賞状をもらったときが、一番くやしかったな。


そのあと、500円分の会場で使えるチケットをもらえます。
ただ、会場の飲食系の出店は、参加者に比べるととても少ないので、私がそこにいったときには、ほとんど売り切れているか、もしくは長蛇の列でした。
一部、お土産ものみたいな食品販売のお店があったので、そこで黒糖とかちんすこうとかのちっちゃいパックを三つくらい買いました。


このまましばらく残って、アフターパーティーに参加しよう!って思っていたのですが、
寒さが尋常じゃない。

自転車に乗っているときが一番快適になるような服装でいったのだから、おりてぼーっとしてたら、寒くなるのは当たり前ですね。
ANA利用者には、特典の専用クロークがあったので、本来ならそこに上着とか着替えとかあずけておけばよかったのですが、そんなものが必要になるとはまったくもって考えてなかったので、会場に何も持って行っていませんでした。

せっかくANAで行ったのに、準備不足で特典を活かしきれなかった……不覚。


このままだと風邪をひくと思ったので、諦めて自転車にまたがり、ホテルに戻りました。
戻るときに、おそらく160kmコースに出たであろう、数年前のチームSKYのジャージをきた参加者に抜かされました。
なぜかそれだけで、テンションがあがりました。

やっぱりロードレースが好きだ!









まあ、そんな感じで、
私の初めてのロングライドイベント参加は、完走ならずという形で幕を閉じたのです。



この記事を読みに来た、2018年以降のこの大会の参加予定者の方。
その中でも、ロングライドイベントが初めで、この100kmコースにはじめて参加する人、または参加を悩んでいる人、なおかつ、スピードに自信がない方。
そんなあなた、私から、完走のためのアドバイスを3点、ここに残しておきます。


①なんとかして、迷惑をかけない程度に、早めにスタートできる位置につく
タイムアウトされないか心配なレベルの参加者にとって、スタートの遅れは結構のちのち響きます。
終わってからいろいろ考えたのですが、ミドルの最後尾にならんでおくっていうのはいかがでしょうか。

もしこれが、ファストとかミドルの最初の方に、明らかに遅い人が混じってしまうと邪魔だし、せっかく集団での混乱を少しでも回避するための、大会側の配慮を無視してしまっていると思うのですね。

でも、ミドルの最後尾にならんだら、ミドルのあとには、スロウの参加者しかいないはずだから、
本来のレベルがスロウでも迷惑はかからないのではないかと!


②どんなにおいしそうに見えても、最初のエイドステーションは諦めろ
最初のエイドステーションは、当然どこのエイドステーションよりも走行距離が短いので、速度に差があってもここまででそれほどまだタイム差はつきません。
だから、一番ここのエイドステーションが混みます。

並ばないといけないと思ったら、潔く諦めて、次のエイドステーションに向かった方がいいです。
お手洗いは、道すがらのコンビニで借りるという手もあります。
そこでお菓子でも一個かえば、補給食も買えます。

私、もし来年参加するなら、参加日前日にさーたーあんだぎーを買ってポケットにいれておこうと思います。


③1月の沖縄は、雨は、降る。そして、風は、強い。
それどころじゃなかったんで、書きませんでしたら、ぶっちゃけ雨が二、三回きました。
でも、大会が終わって、あいさつみたいなのが壇上で行われていたときに、偉い人が「雨もちょっと降ったし、風も強かったけど、最高の天気だった」と言ってました。

つまりきっと、1月の沖縄は、ちょっとくらいの雨は普通なんです。
山にくもがかかっててもかかってなくても、多少は降るんです。それが普通なんです。そんな気配がしました。ひしひしと。
だから、雨が降るのは当たり前なのです。

私、ホテルに戻ってから、ホテルの海辺のドアのとこにたってたホテルのおじさんに聞いたら、この時期は毎年こういうすごい風が吹くんだって言ってました。
だから、強風もあたりまえなんです。


それはもう、覚悟して行った方が、気力を削がれなくていいと思います。
晴れ間が見えたら僥倖、くらいにおもっていた方が、きっといい気分で走れるでしょう。



アドバイスとしてはここまでですが、
大会として、カメラマンさんがついていて、その人が何箇所かでほぼ参加者全員の写真をとってくれていて、あとからその写真を購入することができます。
だから、一人参加の私でも、自分が自転車にのって走っている姿の写真を手にいれることができそうです。

スポーツイベントというものに参加の経験がほぼないので、こういう大会でカメラマンさんがついていて、参加者の写真をとってくれているということがどれほど一般的なことかわかりませんが、
私は、今回初めて自分が自転車に乗って走っている姿を見ることができて、ちょっぴり嬉しかったです。

何枚か購入するつもりでいます。



長々と書きましたが、
なんか、ただ楽しかったっていうのも、辛かったっていうのも、悔しかったっていうのも、全部違う気がします。

時間でいうと辛い区間が長かったし、思い出した感想はやっぱり悔しいし、でも楽しかった瞬間もありました。
もし完走できていたら、これが「いろいろあったけど充実してたのしかった!」って思えるのかなあ……。




まあとにかく。
これにて、センチュリーランのレポートは終わりです!!

そうこうしているうちに、どんどんレースはスタートしてますからね!
こないだデゲンコルブがドバイツアーの第3ステージで勝ったときは、勝利後のツイートみて泣いてしまいましたよ!!
去年の交通事故から、シーズン前半棒にふって、ツールのときもまだ指がうまく動いてなくて違う指でギアチェンジとかしてて、
そして、今年移籍後、シーズン最初のレースでの勝利!
本当に、よかったって思いました。

まだちょっと先だけど、クラシックシーズン、楽しみです!

美ら島オキナワセンチュリーラン2017 レポートその2

1月15日

目覚ましアラームの二重奏に起こされます。午前5:50。
外はまだくらい……ついでに寒い……。この日の日の入りは、7:12予定。

のそのそと着替えて、あとはヘルメットだけかぶれば走り出せる状態の格好になってから、6:45くらいに、朝食会場のバイキングへ。
服装浮いてしまうかなと思っていたけれど、似たような人が結構多かった。

15分そこそこで食事を済ませ、部屋に荷物をとりに行き、そのまま、駐輪場であるガラスドームへ向かいます。
自転車は半分くらい既にいなくなってました。特に、集団でジャージ着てたり、鍵まとめてつけてたかたがたのバイクが軒並み消えてます。
160kmコースに出た人多かったんだなあ……。


だんだんと、外が明るくなってきました。

ブレーキがちゃんとかかるか確認して、いざ出発!
出発地点のコミュニティーセンターまで、約5km!

海岸線沿いにずっと走るので、道に迷う心配はほぼないので、見知らぬ土地でも助かります。
どんどん抜かされながら、出発地点へ。
8:00くらいに会場について、まず向かうは、ワンコインメンテナンス!

並んだら、私は一人目くらいでしたが、数分しないうちにどんどん後ろに人が並びだしました。
これを見越して早めに行ったのもあるので、当日メンテナンス希望の方は、時間をあまらせる感覚で動かないと大変だと思います。

前の人が結構直すのが大変なメンテナンスだったみたいで、10分くらい待ってから、私の番になりました。

メカニック「お待たせしました。どこを直しますか?」


……え。
直す?壊れてないと来ちゃいけないだろうか?
そりゃそうだよね!
ちゃんと組み立てられてるか不安ですなんてレベルの人、一人でこんな遠くのライド大会参加しないよね!!


一瞬どうしようと思ったのですが、初輪行で、ちゃんと車輪とかはめられてるか不安なのだと伝えたら、ちゃんと見てくれました。
ロングライドだからということで、ブレーキをゆるめに直してくれ、あとサドルを上に上げてもらい(硬すぎるから自分であげられなかった)、ものの5分くらいで終了。


疾走サインをして、グラウンドへ向かいます。
ちなみに、普通に紙の、自分の名前書いてあるとこにちょこちょこって書くだけです。
「え、透明なアクリルかなんかの板じゃないの?」
とか思った貴方。グランツールの見過ぎです。でも私も最初サインするって聞いた時、あれしか浮かばなかった。


グラウンドには、三つ看板が立っていました。

「fast」「middle」「slow」
自己申告制で、好きなところにならんでいいよ、とのこと。
f:id:cororn:20170129220918j:plain

迷わず、「slow」に並びます。

ざっと見た感じ、slowが一番多いように感じました。クロスバイクの参加者は、ほとんどこのレーンにならんでいました。
そのあと、開会式があって、地元のえらい人(名前を忘れてしまいました……)がお話をしてくれました。
「後ろに見える、あの山に、朝、雲がかかってなければ、晴れるんですよ!」

振り向くと、確かにその山に雲はかかってませんでした。
やった!!

そして、fastの人から順にスタートです。
私の参加したコースは、予定では9:00スタートでしたが、実際には10分近く早くスタートが始まりました。


ただし、あくまでもfastの人!!

全員で一斉にスタートではなく、20人くらいでまずスタートして、そこから1分くらいして前の集団の姿が消えてから、次の20人くらいの集団がスタート、という形をとります。

fast、middle、slowの順番だったので、実際に私がスタートできたのは、9:20近くだったんじゃないかなあ……。
あとから考えると、このタイム差が、非常に痛かった……。



とうとう、ライドスタートです!
あっという間に、一緒に走り出した人たちに抜かされます!
ちょっとしたら、また次の集団の人たちにも抜かされます!

こころ!くじける!!


いや、仕方ないですけどね。
普段ほとんど走ってないし、クロスバイクだし。

でも、弱音はいても仕方がないので、ひたすらこいでました。
自分の中では、楽に漕げる速度よりも、ちょっとがんばってる、くらいのスピードで漕ぎました。
海沿いのコースを走るので、横風がけっこうきついです。
そうこうしているうちに、だんだんさっき自分を抜いていった人たちにおいついていきます。

多分、本当にスマートに走れるひとはとっとと先に行ってしまったと思うのですが、ちょっと無理して走り出した人とかが、ペースを落として、そこに追いついたんじゃないかと思うのですよね。

正直「こんな序盤で、ちょっとがんばっている、って感じでペダルを踏んでいて、ちゃんとゴールまでたどり着けるのか?」ってスタート早々不安になったのですが、でもまあなんとかなるだろう、って思ってひたすらこいでました。


なんとなく、自分の速度ペースがわかってきたところで、最初のエイドステーションである、名護市民会館につきます。
公式サイトでは、10時10分着がモデルタイムで、一応15分くらいで立ち去る計算になっていました。

時計を見ました。

10時35分。

ちょっと!序盤でこの遅れ!!?
でも、お腹すいているし、飲み物も欲しいし、なので、補給食くれる列にならびます。
……すごく混んでいる。
でも、どうしても、どうしても、
あそこに見えるサーターアンダギー食べたい!!!!

じっと並んで、黒糖饅頭とサーターアンダギーをもらい、急いで食べました。
時計を見ました。

11時。

うわぁぁあ!!やってしまった!!
でも、だって、どうしても食べたかったんだもん!!

急いでお手洗いによって、出発しました。
ちなみに、こういうイベント事って、女子トイレはすごく混むイメージがあったのですが、私が入ったどこのエイドステーションのお手洗いも、女性トイレはすんなり入れました。参加者の比率の問題ですかね?


さあ、さーたーあんだぎーによってできてしまった遅れをとりもどさなくては!!


颯爽と自転車にまたがりますが、ここからが本当にきつかった。
風が……!!
向かい風が…………!!


なんと表現するべきでしょうか。
東京の自宅にいたら、絶対に今日は外に洗濯物を干さないって固く決意するであろう強風が、始終向かい風として吹いてました。

もうね、本当に、ぜんっっっぜん進まないんです。
登りとか下りとか、景色とか海とかほとんど記憶がない。
とにもかくにも、進まなかった、この区間!!

でも、途中でこどもたちが、「がんばれー」って応援してくれたの、確かこの区間だった気がします。
あのときだけ、ほっこりした。登りだったけど。


このあたり、多分理性が壊れてたのか、ちょっと替え歌作って歌いながら走ってました。
『みんなともだち』って歌があるじゃないですか。
あれをもじって、ずっと歌ってました。

「ずっと、向かい風。ずっとずっと向かい風。どこまで、いっても。ずっと向かい風ーでー」

歌っているからって、「へへん、こんなコース楽勝」とかいうことではありません。
「歌ってないとやってられるか!!」っという感じです。


なんとかここをクリアして、次のエイドステーションである、田空の駅はーそー、というところにつきました。
モデルコースでは、11時35分着になっています。時計を確認。

12時55分。

すでに一時間以上遅れている!!?
この時点で、タイムアウトがじりじりと現実のものとして迫ってきました。
同じタイミングでエイドステーションにいた参加者も、ちらほら「これ完走できるか……?」という声が……。

とりあえず、ここのエイドステーションで提供されていたお芋さんのお菓子と黒糖かなんかを口に放り込み、水分補給して慌ててスタート!


その3に続きます!

美ら島オキナワセンチュリーラン2017 レポートその1

さてもさて。

初めて参加した、遠方のファンライド大会。美ら島オキナワセンチュリーラン2017。
どんな感じだったか、とか、もし次回参加するならここを気をつけよう!って思ったこととかを、時系列的にまとめたいと思います。


大会前日 1月14日

この日は、お昼頃から、大会のスタート地点である恩納村コミュニティーセンターで、事前イベントとゼッケン受け取りがありました。
レンタルバイクで走る予定の方は、この日に受け取らなければならなかったそうですが、私は前述のとおり自分のクロスバイクを持って行っていたので、ゼッケン受け取りのみがミッションです。

11時前には、那覇空港についていたものの、ちょっと那覇市内で行きたいお店があったので、ゆいレールにのって街中へ。

用事をすませて、13時50分くらいに、那覇のバスターミナルに行き、空港リムジンバスを待つ予定でした。

が。

チケット売り場で、すでに13時40分過ぎていたのにもかかわらず、

売り場の人「まだバスが空港をでてないんです……自転車多すぎて、パニック状態で……」

……。
確かに、絶対に人多いのに、特に臨時バスが出ます、みたいな案内もなかったしな……。
私の乗ってきた飛行機でも、手荷物受け取りのときに、自転車受け取りの列に並んでいる人いっぱいいたし。
空港リムジンバスは、事前にチケットを買わなきゃ乗ることができないのですが、チケット自体は座席指定でも便指定でもないのです。
始発から乗るのではない人は、バスが来た時点でチケットを持っていて、なおかつバスに空席がないと乗れない、というシステム。

この分だと、リムジンバスのチケット買って、乗り場で待つのはちょっとリスキーだ、と判断したので、すぐさま頭を切り替えて、路線バスで行くことにしました。

路線バスの方が時間がかかるので、本当は先にホテルによって自転車組み立てて、自転車でゼッケンを受け取りに行こうと思っていたのですが、もし自転車組み立てに手間取って、時間内につかなければ、参加自体できなくなってしまいます。
予定を変えて、先にゼッケンを受け取りに行くことにしました。

路線バスだと、ちょっと時間はかかるのですが、
代わりに、リムジンバスよりもコミュニティーセンターの近くのバス停で降りられます。

16時前後くらいに、コミュニティーセンターに着きました。さあ、ゼッケンを受け取らなければ!!



おそらく、大勢の人が、ゼッケンゲットのために来ているでしょう。
そう、時間的に考えると、私は完全に出遅れていたのです。

しかし。私には秘策がありました。
私は今回、大会のスポンサーである、ANAの飛行機で行ったのです。
たくさんの参加者が訪れるであろうゼッケン受け取り。
並ぶであろうゼッケン受け取り。
しかし。
なんとANA搭乗者には、優先レーンでの受付が、特典として付いてくるのです!!
はっはっは!特権特権!


列に並ぶたくさんの参加者を横目に、悠々とスピーディーにゼッケンを受け取ってみせようではないか!!

私は、ポケットから出したANAの搭乗券を握りしめ、
意気揚々とゼッケン配布場所である体育館の前に立ちました。

いざ!!!

入ると、各コースごとに、レーンが三つ。
うち一つがANA専用です!!


…どこのレーンにも、だれもならんでなかった。

呆然とする私の横を、一人すり抜けていき、普通のレーンで、すんなり受付をすませて去って行きました。
横目で見送ってから、意地で優先レーンに並びました。
他に誰もいないので、優先でしたよ。ええ。



気を取り直して。
ゼッケンをもらったときに、受付をしてくれた係りのお姉さんに聞いてみました。

「私のコースの人(100km)って、何人くらい参加されるんですか?」
「えっと(名簿めくっている)、990人ですかね」

規模が!!でかい!!




そのあと、また路線バス乗って、ホテルに行きました。

私の泊まったホテルは、リザンシーパークというホテルだったのですが、ここは、ホテルの建物の外に立っている、おっきなガラス張りのドームを、丸々駐輪場として開放してくれていました。
ホテルの海岸沿いの道からスロープで入れる場所にあるので、自転車の出入りも楽です。


自転車は、ホテルの部屋には持ち込めないので、ここにたくさんの輸送された自転車が、段ボールの状態で並んでいました。
そこから自分の段ボールを探して、適当に空きスペースを確保して、組み立てスタート!!
箱自体は、大会が終わるまで、そのドーム内の片隅にあずけておけます。たたまなくて大丈夫だったので、梱包材入れた状態であずけることができました。
私は使いませんでしたが、ホテル側でフロアポンプ式の空気入れも数台準備してくださっているようでした。

一時間ちょっとくらいかかって、親切な人とかに手伝ってもらって、自転車を組み立てたあと、ホテル内で夕食をとってから部屋に戻って明日の準備です。


もらったゼッケンやシールのセットの中に、安全ピンがついて来たので、それでゼッケンをつけます。
私は、自転車につけるバックを持っていないので、チューブとかいろいろ持って行くために、ドイターのバッグを背負っていくって決めていたので、バッグの背面につけました。

あとは、ゼッケンナンバーのシールをヘルメットと自転車のフレームに貼れば、出場ができます!

そして、他の諸々の準備をしました。
サイクルボトルを持って行っていたので、中に飲み物を入れました。
あんまりスポーツドリンクって気分じゃなかったので、自宅から持って行った紅茶を、ホテルの部屋で自分で淹れました。(←こだわるとこ間違っている)

あと、ハンガーノック対策で、一応携帯食料を2、3準備しました。

ウェアは上下長袖です。上は、冬用インナーと秋口くらいの厚さのウェア。下は、サイクル用のロングタイツにショートパンツです。
グローブも指先まであるもの。
アイウェアも持って行ったので、顔以外は、外に出さない感じです。


明日は、スタートは9時ですが、遅くても8:40までには、疾走確認のサインを済ませないといけないので、準備は完璧にした状態にしておきました。

携帯のアラーム三つつけて、部屋のモーニングコールもセットして(←朝弱い)、
よし!大丈夫だよね?だよね!!?

荷物を三回確認して、眠りにつきました。

ど緊張してましたが、すんなり眠れました。


さあ、翌日がいよいよ本番です!
続く!

ユアン、強し……。

シーズン1番最初の、ワールドツアー、ダウンアンダーが終わりました。
ラストステージも、ユアンがステージ優勝。
ユアン、強すぎる……!!


ダウンアンダーのスプリンターステージ、全部とったよ。
っていうか、
ダウンアンダー、ステージ優勝したの全員オーストラリア人だよ!!
(ユアンとリッチー・ポートしかステージとってない)


いやあ。
すごかったな、ユアン。
最後、「すがた見えないなー」とか思ってても、かならず選手かきわけてあがってきて、ステージとってくんだもん。
サガンも、3ステージくらい、ユアンに続いて2位をとっていましたね。


……去年、正直、ダウンアンダー以外で、ユアンの印象ってほぼないんですよね……。


今現在、スプリンターで、強い選手っていうと、ぱっと浮かぶのはこの3名です。

マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)
アンドレ・グライペル(ロット・ソウダル)
マルセル・キッテルクイックステップ・フロアーズ)

ユアンも、脚質はスプリンターだと思うのですよね。
小柄だから、山も、純スプリンターの中では登れるタイプの選手だとは思うのですが、でも、登りスプリントゴールでゴールを競える、パンチャータイプではない、と思っています。


で、この3名は、今回、ダウンアンダーには出ていないのですね。


だから、確かに今回ユアンはめちゃくちゃ活躍したけれど、他の強豪スプリンターがそんなに出てないからなあって見方もあるかと思うのですよ。

ただ、サガンが出ていた今回のダウンアンダー。

元世界王者のペーター・サガンは、基本的にはパンチャーの選手と言われています。
パンチャーって、ええっと、登れるスプリンター、みたいな感じです。
瞬発力とか爆発力に優れてて、ちょっとした登りなら、ぐぐっと一気にアタックかけて登れちゃうし、スプリント勝負もできるけど、純スプリント勝負だとスプリンターには負けるし、厳しい山だとやっぱりクライマーには全然敵わない、みたいな。

ただ、去年のツールとか世界選手権とか見てるとわかるのですが、サガンはパンチャーの中でもちょっと別格な選手でして、
スプリント勝負でもいわゆる超一流のスプリンターに勝てちゃうようなスプリントをすることもあるし、山岳でもツールの2級山岳くらいならクライマーに混じってすいすい登れちゃうっていう、すごい選手です。

例えるなら、アクションRPGゲームとかで、主人公が1周目の能力値引き継いだ状態で始めた2周目みたいな。


ロードレースは、ただ単純にスプリント能力が高い順にステージ順位がつくような単純なものではありません。
アシストの位置取りとか、レース展開とか、ゴール直前のトレインの状態とか、誰の後ろについているかとか、誰のとなりから追い上げるかとかで、結果がかわってしまう繊細なものでもあります。


今回気になるのは、サガンが2位、ユアン1位が続いたってことです。

サガンは、スプリント能力もさることながら、自分のアシストが他のスプリンター選手よりも少なくても、うまく位置取りをして勝ってしまう、ひとりでできるもん!な選手なのです。
だからサガンは、他のスプリンターの選手に比べて、「自分のチームがうまくトレインを組めたかどうか」が、そこまで勝利の要素に絡まない選手なのではないかと思っています。
自分のチームがうまくトレインを組めたらそこにのるし、できなかったら一人で別のスプリンターの後ろにつけばいいから。

そのサガンが出ていて、ユアン1位、サガン2位のステージが複数あるってことは、
ユアンのスプリント能力+オリカのアシストトレインの位置取り力が、どのステージでもサガン+ボーラ・ハンスグローエを上回ってたってことなのかなと。

どこのスプリントでもサガンに勝てるってことは、
今年のユアンは、
グライペル、キッテル、カヴェンディッシュに匹敵するってことでは!?



あ。でも。
強豪スプリンターが出ていない≒そのスプリンターの一番のアシストをつとめる選手も出てない
ってことだから、トレインの位置取りがうまくいかなければ、いくらユアン本人のスプリント力が高くても、そうそう結果は出せないか……。

それに、オリカはチャベスがいるから、グランツールとかだとアシストはチャベスのための選手が多くなるだろうし、どっちかっていうとエースの総合順位よりステージ勝利数のを重視する布陣で組むロット・ソウダルやクイックステップやディメンションデータとかとはまた、状況が違う……。
しかも、今年から、グランツールの出場人数、9人から8人に減るんだっけ。


うーむ。
そう考えると、グランツールで活躍できるスプリンターって、スプリント能力以外に、どこのチームに属しているか、とかも、結構重要なんだなー。

Amazon.co.jpアソシエイト